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廻るもの

 2009-01-27
自己啓発やスピ系セミナーで言うところの「引き寄せの法則」では、「今の自分の内面の状態が、今現在周りで起きていることや状況に反映される」らしい。もし今自分が望まない状況、物事がうまく回らない状況にあるのであれば、それはすべて自分自身―考え方や感情、人としての在り方等に原因があると言う。

「すべての元凶は自分自身」という前提の考え方が浸透している。だからそういったセミナーや書籍では「自分を磨こう」「今の自分を変えよう」「もっとポジティブな考え方や態度をしよう」ということを謳う。

「ツイてないのは自分のせい」「自分のネガティブな考え方や態度が、今の不幸な状況を招き寄せた」―「自分自身が最大の加害者である」といった「刷り込み」をされている。

そういった「刷り込みをされた人」は、セミナーやヒーリングの類に救いを求める。誰だって幸せになりたい。だから今の「不幸な状況」を何とかしたくて、自分自身を「矯正」しようとする。そんな自分を変えてくれそうな、ナントカセミナーやナントカヒーリングの「信者」となる。

「信者」になった後も、状況が何も変わらなかったり、相変わらずツイてない状態が続いている場合は「自分のがんばりが足りないせい」と、ますます自責の念を深めて、アファメーションの言葉を躍起になって唱えたりして、どんどん「教え」にはまっていく。もしくは「もっと効果のあるものが他にあるかもしれない」と、様々なセミナーやヒーリングの類を渡り歩く「セミナージプシー」「ヒーリングジプシー」となる。


運やツキ、幸や不幸は、どんな人にも平等に廻ってくるもの―と、私は思っている。今の自分がツイてないのは、自分の精進が足りず、人として未熟だからでもないし、自分の中にある「邪悪な部分」がそれを引き寄せているのでもない。運やツキ、幸福が来ないのは、まだその時期ではないからだ。まだそれが廻ってくる順番ではない―ということ。

例えば、デビューして苦節20年、ようやくヒットに恵まれたミュージシャンがいるとする。デビュー以来、真面目に一生懸命努力してきて、曲も素晴らしいのに、なかなか世間に認められない。しかし20年経ってようやく日の目を見た―それは「順番」が廻ってきたから。

もし「引き寄せの法則」が真実であるなら、やる気に燃えて、夢を叶えるために日々真面目にがんばっていたはずのそのミュージシャンは、すぐに売れているはずだと思う。

「引き寄せの法則」に始まり、現在巷に溢れている自己啓発やスピ系セミナーの類は、率直に言って「宗教」だと思う。「人は生まれながらに罪人である」と原罪説を唱えるキリスト教やその他の宗教と同じだ。「自分を劣っているもの」として位置付け縛るそのスタンスは、宗教以外の何物でもない。

日々を清く正しく生きていたとしても、起こるものは起こる。「水戸黄門」の主題歌に「人生楽ありゃ苦もあるさ」という歌詞があるが、まさにその通り。「今の自分がどうこう」ではなく、人生全体を大きな一つの流れとして捉えた時、それが納得できるだろう。「楽ばかり」「苦ばかり」という人生はない。どの時期も平等にやって来る。

自分が置かれている状況を嘆く人は、人生の一部分しか見ようとしない。そのわずかな部分を最大限に拡大して、人生そのものだと、それがすべてだと思い込んでいる。だから「自分はいつもツイてない」となる。

必要なのは、ポジティブになることでも、自分を磨くことでもない。人生に甘さや楽だけを求めるその「浅ましさ」と「執着」を捨てることだ。そして、この世の秩序と理(ことわり)を理解すること。苦しい時期をただ嘆くのではなく、力を蓄える時期だと考え、黙々と努力をし続け、必ず廻ってくるチャンスを信じて待つことができる力を身につけることだ。

運もツキも、幸も不幸も、すべて平等に、万人に廻ってくる。それが宇宙の理だ。


カテゴリ :はい論破!スピリチュアルと自己啓発の矛盾とからくり トラックバック(-) コメント(-)
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