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ファム・ファタール

 2012-04-29
「男は、その女にとっての『最初の男』になりたがり、女は、その男にとっての『最後の女』になりたがる」男と女の、「生き物」としてのそれぞれの「特性」を表している言葉だ。

ただ、最近の世間の様子を観ていると、そのセオリーが崩れてきているような気がする。多分ここ数年の不安定な世相を反映しているのだと思うが、男女とも「最後の相手になりたがる人」が増えている。

その表れの一つが、いわゆる「婚活」。特に昨年の東日本大震災以来、誰かとの絆を求める人が性別や年齢を問わず増え、婚活パーティー等は大盛況だと聞く。

その一方で、「男性の女性化」に拍車がかかったせい―指摘する向きもある。「○○男子」と称される男性達の出現。確かに「男」「オス」ではないな、と。料理男子やスイーツ男子、べつに悪いとは言わないが、正直、今現在の世の中、「男性」というよりは、「男の子」って感じの人が目立つよね、と。

いろいろな意味で「中性的」というか。外見がどうこうというだけでなく、オス特有のエネルギーを発している人が減っているような。妙に油っ気がなく、「さらさら・つるつる」という感じ。「草食系」とはよく言ったものだ。今はそれがさらに進んで「植物系」なのだとか。草を食べるどころか、自分が草そのものになっちゃったという。

「肉食系」の獣チックに「よっしゃあああーーーっ!!」と自ら獲物を狩りにいくのではなく、「どうぞボクを摘んでください」とひたすら待ちの姿勢に徹するというか。10代や20代の、それこそ心身共に人生で一番恋愛に積極的になる年齢の男の子達でさえ、そういう感じ。相手のほうから来てくれることを期待している。

良くも悪くも、「強引さ」「粘り」がない。どこか遠慮がちで、全般的にあっさりしている。「男の子」を通り越して「乙女化」している状態なのだ。だから「最後の男」になりたがるのね、と。「それを招いたのは『女性の男性化』だという意見もあるが、そんなものは「ニワトリが先かタマゴが先か」というのと同じで、多分答えは出ない。

確かに、どの分野においても「最初」と「最後」というのは、いろいろな意味で印象が強いので記憶に残りやすい。特に恋愛においては、それが「特別な機会」である分尚更だろう。初恋を特別視したり、独身時代の最後に付き合った人の印象が他の人達のそれよりも強く残ったりするのは、そういう理由から。

だが、相手にとって、自分が「最初の人」であろうが、「最後の人」であろうが、実はそれほど大した意味はないのではないかと思うのだ。

「どっちでもいいし、そうでなくてもべつにかまわないし、なんでもいい」と思っている私は、「順番」に対する思い入れはない。恋愛において重視しているものが、多分その部分ではないのだと思う。

むしろ、順番どうこうではなく、いろいろな意味で「どれだけ相手の中に強い記憶や印象を刻みつけたか」ということが、おそらく私にとっての重要事項なのだ。「最後の女」になることより、むしろ「忘れられない女」になることを選ぶと思う。

その出会いが男にとっての何らかの「転機」をもたらすような―。多大なインスピレーションの源になるような―。人生のある場面を振り返った時、好むと好まざるにかかわらず、その姿が必ずそこにあるような―。憎しみゆえに忘れたいのに、あまりにもその女との出会いが自分の人生に大きなものをもたらしたために、その存在を絶対に忘れられないものになっているような―。何年、何十年経っても、ふと思い出した拍子に、共にその時の強い感情が甦ってくるような―。

男にとっての運命的な出会いの女。男を惑わし、魅了し、時には破滅に追いやる魔性の女。相手の男にとって、良くも悪くも忘れ難い記憶や思いを残す女が、過去から現在、果ては未来においてまで、実は一番鮮烈な存在となる。

「最後の女」が、必ずしも「運命の女」であるとは限らない。そして、「最後の女」になることが、「=その男のすべてを手に入れた」ということではないのだ。

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カテゴリ :男と女・恋愛・結婚の話 トラックバック(-) コメント(-)
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