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分岐点

 2011-01-07
【分岐点(ぶんきてん)】道路や物事のわかれる所。わかれめ。「人生の―」(広辞苑より)


セラピストの仕事をしていると、時々、まるで鏡合わせのようによく似た生い立ちを持つ人達に出会うことがある。「あれ?前にもこんな話を聞いたことがあったな」という感じで。

例えば、「Aさん」と「Bさん」という二人がいる。もちろん赤の他人同士で面識もない。性別も同じで、年齢も非常に近い。二人とも、10歳の頃に交通事故に遭い、その時に家族全員を一度に亡くしている。家族の中で自分だけが生き残った。家族を亡くした後、しばらく親戚の家を転々としたのだが、最終的に養護施設で生活することになった。中学卒業と同時にその施設を出、就職した。昼間は会社で働き、夜は高校の夜間部に通う―という生活を経て今に至っている。

生い立ちこそよく似ているものの、現在の二人の状況はまったく違う。Aさんは、「今はとっても幸せです。今の幸せを思うと、ありがたくて涙がこぼれるんです」と笑顔で言い、一方のBさんは、「どうして自分がこんな目に遭わなければならなかったのか納得ができないんです。世の中もっと悪い奴らがいるじゃないですか。どうして私なんですか?」と怒りや恨みを露わにする。

性格の違い―と言ってしまえばそれまでだ。だが、二人とも同じ状況を経験している。環境等、後天的な要素の影響を強く受けて形成される「性格」が現在の状況を形成している原因であるならば、この対極とも言える「違い」「差」はどうやって生まれたのか?と。


仕事柄今までいろいろな人達を観てきて思うのだ。AさんとBさんのように、「今の自分に満足している人」と「そうでない人」には、決定的な違いがある。よく似たプロセスを通ってきた二人の人間のその後を分けるものは何なのか。それは、「諦観」なのだ。自分の人生、ひいては自分自身を諦観することができるか、できないか―それが大きな違いを生むのだ。

「諦観」とは、入念にそれを観ることを指す。冷静に、客観的に観察すること。感情は一切不要。「無機質」と言ってもいい冷徹さで、ただそれを眺めるのだ。まるで他人事のように。それをしてこそ、新たに見えてくるもの、気づくこと、理解することが現れてくる。文字通り、それを単なる「あきらめ」と取る人は、その本当の意味を理解していない。

「諦」という字には、「真理」「悟り」という意味が含まれている。真理を悟った上で、自分の意思が及ばない領域の「変えられないこと」「仕方のないこと」として、納得してそれを思い切る。いろいろと観察した結果を取りまとめ、明確になったその「事実」「真相」と向き合って、「よし、わかった」と手放す―それが「諦観」なのだ。

過去にこだわる人というのは、「過去に執着している」ということでもある。彼らは、変えられない過ぎ去った時間までをも何とかしようと躍起になっている。だがそれは、日本に生まれたこと、この両親の元に生まれたこと―そういった絶対に変えることのできない部分、「宿命」を変えようとしているのと同じことだ。ある意味、「過去」は宿命なのだ。過ぎ去った時間は変えることはできないし、起きた出来事をなかったことには出来ないのだから。

過去に執着して前に進もうとしない人達は言う。「もしあのことさえなかったら、自分はもっと幸せになっていたのではないか」「違う環境で育っていたら、もっといい人生になっていたかもしれない」「こんな人間になったのは、あんなことをされたせいだ」

確かに、それぞれが抱えている「事情」というものはある。だが、それは必ずしも今現在自分が不幸である「原因」「理由」にはならない。それを自分の不幸の原因とするのであれば、同じような経験を持つもう一方の人はなぜ幸せなの?と。同じ環境で育った兄弟姉妹間でも、こういった違いは起きる。やはり、「事情」は直接の「原因」ではないのだ。

幸せになったその人達は、理解したのだ。「宿命(過去)は変えられない。だったら自分でいくらでも好きなように変えていける運命(現在と未来)を大事にしていこう」と。彼らは、人生を「諦めて投げ出した」のではない。「よし、終わったことは仕方ない。これからがんばっていこう。幸せになろう」と、過去を思い切り、執着を振り払ったのだ。前に進むために。

まずは自分自身を観ることが必要なのだ。そして決める。自分がどちらに進みたいのかということを。不要な執着を捨て、歩き続ける。そうすれば、人はどこでも自分の好きな場所に到達できる。道を選ぶのは、あくまでも自分自身なのだ。




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