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Mの属性

 2009-10-09
【属性 attribute】

①事物の有する特徴・性質。
②(哲)偶然的な性質とは区別され、物がそれなしには考えられないような本質的な性質。

(広辞苑より)



最近とみに思うのだが、考え方でも行動でも、毎回同じパターンを繰り返し、その度に後悔したり歯痒い思いをしている人というのは、結局M―マゾ体質なのだと思う。

その人達は一様に言う。「自分でも分かってるんです。『あー、またいつものパターンだ』って。分かってはいるんですが、でもそれがなかなか・・・」

「自分で認識してるんでしょ?だったらそこで止めたらいいじゃないですか」なのだが、当の本人達は「もう嫌なんですぅ~いい加減このループから抜け出したいんですぅ~」と言いながら、またせっせと同じことを繰り返す。そしてまた同じ言葉を言うのだ。「もう嫌!」と。

今は痛みが治まっている虫歯を、必要もないのにわざわざ舌で触って確かめずにはいられない―そんな様子によく似ている。「痛いのはこの歯だったよね?触ったらまた痛くなるのかな?今度はどれ位痛くなるんだろ?」そして痛みがぶり返すと、「ほら、やっぱりまた痛くなってきたー」と、痛みによって虫歯の存在を確認している。

治りが遅くなる、痕が残るとわかってはいても、やって出来たかさぶたを無理矢理剥がすような―。

「だから止めとけって言ったのに!」「だって気になるんだもん・・・」何のことはない。自分自身が”やりたくて”やっているのだ。

恐い思いをすると分かっていながらも、お化け屋敷に入ってしまう―そんな心理にも近いと思う。「恐かったぁー!もう二度と入りたくない!」と半泣き状態になりながら、次の夏が来ると、あの恐怖をまた確かめずにはいられなくなるのだ。

わざわざ虫歯を舌で確かめるのも、かさぶたを剥がすのも、お化け屋敷に入るのも、痛みや恐怖を受けることで「ほらやっぱりね!」という、ある種の精神的な満足感を得る為なのだ。さんざん過去にやり尽くして、結果は既に分かっているのに、例の「やっぱりね」を体験してみたい。「自分の予想は正しかった」それを確認したいのだ。ある種の被虐趣味、「マゾヒズム」と言ってもいいと思う。

同じ思考や行動パターンを繰り返し、その度に後悔する人も、それとまったく同じ。自分達が毎回取るパターンの結果を確かめずにはいられない。さんざん過去に同じ事を繰り返して、同じ結果になって、同じように後悔しているにも関わらず、「例の満足感」をまた味わいたくて仕方ないのだ。

本人達が口々に落胆を訴えていたとしても、その裏には「満足感」が必ず存在している。苦痛と快楽の同居、そしてそれを自ら求めに行く―もう思いっきり「ドM」なのだ。環境に左右される性質の強い性格の問題というよりも、それはもって生まれた気質や天性、「性癖」と言える。

ドSの私からすると、毎回自分から痛い目に遭いに行くMの人達のその姿は「全然意味わかんねーし」なのだが、本人達が何と言おうと、M属性の人達は、もう一つの隠れた欲望、「ほらやっぱり」という例の落胆を今回もまた味わいたいという欲望を自ら満たしに行っているのだ。

いくらその人達が「そんなことはない!」と言ったとしても、「いやいや、そうですよ」なのだ。本気で嫌がっているなら、とっくの昔から、自分達がそのパターンの存在を認識しているのであれば、その時点で抜け出しているはずだ。未だにそこに留まり続けているということは、全然その気がないということ。ある意味「満足しているから」なのである。

人間が「本気」になった時、出るのは愚痴や溜息でなく、「行動」だ。それが伴わないということは、その人達が本心では「自分のパターン」の変更を望んでいないということなのである。

結局「人生においてMであり続けること」を自分で選択している。だから毎回痛い目に遭うと分かっていても、その行動や思考のパターンを変えようとしない。なぜならそれを変えてしまえば、もう一つの隠れた欲望、「ほらやっぱり」という例の感情を味わうこと、満たすことが出来なくなるから。

「なんだかんだ言ってる割には結構その状況好きでしょ?」なのだ。口では嫌だとかうんざりとか、抜け出したいとか言ってはいても、自分本来の「性癖」を変える気はさらさらないのだ。

ややこしいことに、その「性癖」は本人達のアイデンティティーの一部、もしくは完全に同化していたり―ということも多い。「それが消失するということ、その性癖を手放すということ=自分自身でなくなる」という思いが無意識に存在するので、結局本人達は思考や行動のパターンを含むすべてのことを変えずに、「そのままでいること」を選択するのだ。

そういった「生まれついてのもの」というのは、他人があれこれ口を出して治ったり、変わったりするものではないのだ。

「毎回同じような事で失敗する」「抜け出そうと思っても抜けられない」そう嘆いている皆さん、本当はそれを望んでいるのではないですか?

ループに陥るその原因は、痛い目に遭うことを自ら望んでいる、あなたの中の「M属性」が引き起こしているのだ。




【追記】
「Mの人」というのは、その都度理由をつけてセラピーやカウンセリングを受けに来ても、結局いつも「同じこと」で悩んだり迷ったりしている。一見まったく違う問題のようだが、その根本にある「原因」はまったく同じものだ。そしてその原因は何に繋がっているかというと、その人の中の「M属性」。

「迷う自分」「悩む自分」「繰り返す自分」といったものが、ある意味「普通の状態」になってしまっている。また「それこそが自分という人間である」と無意識で思っているので、結局それを改善したり解決しようという気はない。なぜならそれをしてしまえば「自分ではなくなる」し、何よりも「自分自身がそれを望んでいない」から。だから次から次に悩みを見つけ出す。「普通の自分」であり続ける為に。

口ではあれこれ言いながら、まったく行動が伴わないのがMの人達に共通する特徴だ。結局本人達は、その状態からいろいろな意味での「満足感」を得ているのだと思う。それがどんな形であっても、ある種の「利益」が得られるのであれば、人間というものはその状況からなかなか離れようとはしないものだ。

その中には「自分が前に進めない理由」を、過去生や今生での過去に見い出そうとする人も多い。実際にその部分と関連していたとしても、今度はそこに執着してこだわり続ける。結局「可哀想な自分」に終始することを、自分自身で選んでいるのである。


カテゴリ :三位一体―心と体と魂の話 トラックバック(-) コメント(-)
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