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自死遺族グリーフケアの会「カンテ・イスタ」発足のお知らせ

 2008-08-21
「グリーフケア」まだ日本では耳慣れない言葉かもしれません。

しかし近年、国内での自殺者数が増加傾向にあることが問題視されている今、次第に認知されるようになってきた言葉です。

自殺に関わらず、病気や事故、災害等で家族や友人・知人を失った人達、「遺族」という立場になった
残された人々の「グリーフ=悲しみや苦しみ等の心の痛み」を和らげる助けをすること・・・
それが「グリーフケア」です。

自死遺族グリーフケアの会「カンテ・イスタ」は、
「自殺」という形で、家族や友人等、大切な人を失った方達のためのメンタルサポートの会です。

「同じ経験を持つ人達と、それぞれの経験を分かち合うことが、一番の特効薬である」
私はそう確信しています。


私自身22歳の時、当時49歳だった母を自殺で失っています。
母は2~3年前から更年期障害の症状が出始め、動悸・めまい・不眠・疲れやすくやる気が出ない等
心身の不調に悩んでいました。そしてそれが嵩じて鬱になりました。

当時の私は、日本語教師としてアメリカ・カリフォルニア州サンディエゴに在住していました。
前任地のマサチューセッツ州から赴任してきた直後でもあり、毎日が多忙で無我夢中で日々を過ごしていました。

そんな時、一本の国際電話がかかってきました。日本にいる父からでした。

その日のことは19年経った今でも鮮明に思い返すことができます。
自分が白いスカートを履いていたこと、電話の向こうから聞こえてくる父の声を聞きながら、
床にペタンと座り込み、無心にカーペットの遊び毛を指で引っ張っていたこと・・・

母が自殺を図った時の状況と、今現在の母の容態を伝える父の声を聞きながら、
「私の人生は、もう『普通』じゃないんだな」と、ぼんやり思ったことを今でも覚えています。


母の自殺をきっかけに、私の人生は2つに分かれました。
「母が自殺をする前の人生」と「母が自殺をした後の人生」です。

国や文化は違っても、多くの自死遺族は私と同様の表現をします。
その前とその後―「そのこと」をきっかけにすべてが変わってしまったと。

そして「残された自分達家族、自分は『普通』ではないんだ」と。

「その後の人生」は、「その前の人生」とは180度違ったものになります。
自分自身の意思や希望とはまったく関係なく、自分の意思とはまったく関係なしに、何か目に見えない力が働き、それに「強引に押し流されてしまう・・・と言ったほうがいいでしょうか。

むしろ「その後の人生」のほうが、故人を失った時よりも辛くやり切れないと感じる人もいます。
本来なら、同じ体験をして、一番寄り添い合える存在である家族の間でも、故人の話題は絶対のタブーとなり、「普通ではない」自分達は、ある種の罪悪感や自分自身を卑下する気持ちを抱いたりするようになり、世間の人々の目から逃げたいとさえ思うようになります。


母の葬儀から2週間後、アメリカに戻ってきた私を暖かく迎えてくれたのは、私の勤務先の小学校の教頭先生でもあり、ホストマザーでもあったマージと、そのご主人のギルでした。

マージは当時48歳。私の母より1歳年下の、とても温かい心の人でした。
彼女の存在が、どれだけ私の「その後の人生」の大きな支えになったか、言葉では言い表せません。

20年近く経った今でも、彼女との出会いは運命、神様からの贈り物だったとしか思えないのです。


マージ自身、17歳の時に父親を猟銃自殺で亡くしています。病気を苦にしての自殺だったそうです。

当時のアメリカでも、自殺はかなりショッキングな出来事であり、特に彼女の育った所はワシントン州の片田舎で、熱心なクリスチャンが多い地域でした。
「自殺は神に背く大罪」、そういった思想が根強い場所です。

そんな中起きた彼女の父親の自殺は、ショッキングでセンセーショナルな出来事でした。

「週末の夜なんか大変だったわ。わざわざ車に乗って我が家を見に来るのよ。『おい、ここがライフルを自分の口に突っ込んで引き金を引いた奴の家だぜ』ってね。娯楽の少ない田舎町だったから仕方ないけど。それが半年も続いたのよ。あれには正直参ったわね」

苦笑交じりで彼女はそう語ってくれました。
その時の彼女の顔をしげしげと見ながら、私は奇妙な安堵感のようなものを覚えていました。

それは「ここに仲間がいる、私と同じ体験をした人がここにいる。私だけじゃないんだ!」という、
まさに「もうひとりの私」を見つけたような、心強さからくるものだったと思います。

なぜなら、あの時私が本当に必要としていたのは慰めでも優しい言葉でも励ましでもなく、自分と同じ経験をし、同じ感情を共有する「仲間」だったからです。


人によったら、自分の経験や感情を他の人達と分かち合うということに抵抗を覚えるかもしれません。
辛く悲しいあの出来事を一日も早く忘れたいのに、どうして寝た子を起こすようなことをするのか理解できないかもしれません。「傷の舐め合い、同病相哀れむ」そう思う人もいるでしょう。
「時間が解決してくれるから、それまで待つつもりだ」、そう決めた人もいるかもしれません。

でも私は自分の経験から学び、確信しました。
「同じ経験をした者同士、お互いの経験や感情、悩みを分かち合うことによって見えてくる
何かが必ずある。そしてそれは今後の人生を歩んでいくための大きな力になる」と。

今すぐでなくても構いません。
もしあなたが今の状況から抜け出すきっかけを求めているなら
もし自分ひとりでは抱えきれないと感じたのなら
グリーフケアの会に参加してみませんか?

ひとりひとりが、また人生を力強く歩んでいくきっかけになるために
自死遺族グリーフケアの会「カンテ・イスタ」はここにあります。

カンテ・イスタ 樫田ミラ




■参加資格 : 原則として「自死遺族」であること          

・父母・兄弟・姉妹・子供・配偶者等、故人と「家族・親戚関係」にある人
          
・故人と、婚約者・恋人・親しい友人関係にあった人


■参加条件 :当ブログ内のカテゴリー「自死遺族としての声」の全記事を必読、当方のスタンスを十分理解した上でお申し込みください。年齢・性別・宗教等は問いません。

故人の死が原因で心身の調子を崩され、現在 精神科・心療内科に通院中の方は、必ず担当医にその旨を伝え、参加許可を得た上でお申し込みください。また、当方にもその旨をお知らせくださるようお願い致します。比較的安定した精神状態でのご参加をお勧め致します。

入院治療中の方は、症状の改善を最優先していただきたいと思っています。退院後の参加をご再考いただけましたら幸いです。
退院後少なくとも半年以上経過した方のみご参加ください。

退院後も症状の改善がない場合・現在も精神状態が不安定な場合は、必ず担当医にご相談の上、参加許可を得た上でお申し込みください。精神状態が不安定な方は、お申し込みをお受けできない場合がありますので、その旨どうかご容赦ください。比較的安定した精神状態でのご参加をお勧め致します。

■参加費用 : 無料(ボランティアとして行っていますので、参加費等一切いただきません)


■開催場所 : 「ヒプノセラピールーム カンテ・イスタ」内
地下鉄千日前線・中央線「阿波座駅」下車⑨番出口より徒歩3分)

詳細な地図は、ブログ右側の「リンク先」から「ヒプノセラピー カンテ・イスタ」をクリック
→サイト内の「アクセスMAP」をご参照ください。


■開催日時 : 毎月第1日曜日 午後1時~4時 (日時変更の際は随時お知らせします)


■定員人数 : 1名(先着順)


■参加方法 : メールで申し込み

メール(PC・携帯)でのお申し込み : info@cante-ista.jp

*PCご利用の方へ:当方のプロバイダーはyahooです。yahooメールを受信拒否設定にしている方は、設定を解除してくださるようお願い致します。

*携帯メールご利用の方へ:PCからのメールを受信拒否に設定している方は、設定を解除してくださるようお願い致します。

申し込み時に、参加希望者の「氏名」「緊急連絡先(電話番号・メールアドレス)」「故人との関係」「故人が亡くなった簡単な経緯(例:いつどこで、どんな状況で等)」を必ず記入してください。

尚、お申し込みをいただいた時点で、既に定員数に達している場合は、翌月以降の会に回っていただくことになりますので、その旨ご了承くださるようお願い致します。早目のお申し込みをお勧めします。

お申し込みをいただいてから、1~2日以内に折り返しご連絡をさせていただきます。 2日以上経っても返信がない場合、こちらにメールが届いていない可能性があります。 もしくは、参加希望者側のPCや携帯の受信設定でこちらからのメールが届かないということも時々あるようです。 その際は、受信設定や迷惑メールホルダー等を確認した上で、再度ご連絡をいただけますようお願い致します。


■留意事項

①グリーフケアの会は、主催者でもあり、自身も自死遺族である精神療法(ヒプノセラピー)セラピスト 樫田ミラと参加者が1対1で話し合うスタイルを採っています。今のご自身の思い等、何でもお話ください。同じ遺族の立場から、アドバイスを差し上げることもできると思います。

②会への参加は、参加者の意思に任されています。
「継続的に参加し続けなければならない」といったような強制等は一切ありません。
ご自身が「一度の参加で十分だ」と思えばそれで結構ですし、「また参加したい」と思えば、 いつでもお好きな時に参加していただけます。完全に個人の自由意思です。

③宗教の勧誘や物販等の「利益」を目的とした参加、精神医学・心理学等の「研究」目的の参加・見学等を前提としたお申し込みは固くお断り致します。 その旨が発覚した場合、理由の如何を問わず、 今後の会の出入りは禁止させていただきますので、ご了承ください。

④参加者の個人情報は、法の定める守秘義務に基づき、厳重に保護されます。
参加者の氏名、会で話された内容等、プライバシーに関する事項は、一切外部に漏れることはありませんので、ご安心ください。

⑤やむを得なく会を欠席される時は、必ず事前にご連絡くださるようお願い致します。


■その他

尚、主催者のプロフィールをお知りになりたい方は、 ①ブログ右側にある「リンク先(ヒプノセラピールーム カンテ・イスタ)」をクリック →②サイト内、「セラピスト紹介」の項目をご覧ください。
          
【お願い】以下は、カテゴリー「自死遺族としての声」内にある全記事です。「参加条件」の一つでもありますので、すべてに目を通し、当方のスタンスを十分理解した上でのお申し込みをお願い致します。

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